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Author:まこと
ハートキャッチいずみちゃん official fun book

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●おかえり菊丸くんの巻  脚本:かあくんさん

20060102.jpg


菊丸がいずみちゃんのもとから去って一週間が過ぎようとしていました。
キーンコーンカーンコーン・・・
千春  「いずみ、いずみってば・・・。」
いずみ 「えっ・・・は、はい。」
千春  「はいじゃないわよ。何をぼーっとしてるの?体育の授業に遅れるわよ。」
いずみ 「えっ、うん。」
いずみちゃんの考え事とは、菊丸宛に手紙を書いたのにもかかわらず、
宛名不明で帰ってきてしまった事でした。
何事も無くただ同じ繰り返しの日々・・・
いずみちゃんはどことなく味気の無い毎日を過ごしていました。
千春  「もしかして菊丸くんの事を考えてたんじゃないの?。」
いずみ 「――!?ばっ、馬鹿な事を言わないでよ。じ、冗談にもならないわ。」
千春  「どうかしら。ま、いいけど。」
いずみちゃんのクラスは女子更衣室はあいにく込んでいる為に教室で着替える事になっていました。
体育の授業も無事おわり、学級に戻るといずみの机に一人の男がいました。
がや がや・・・と女生徒達が戻ってきます。
ガラッと扉が開くと同時に窓から逃げて行く姿が見えました。
千春  「あっ!!何今の・・・?。」
いずみ 「えっ・・・机の上が・・・。」
おかしな姿を見たうえ、自分の机の上が乱れている事に気付くいずみちゃん。
いずみ 「――――ない。ブラが無くなってる・・・。」
千春  「えっ。やだっ・・・本当なの?。」
いずみ 「うん。ここにおいて置いたの。」
千春  「ストーカー?・・・」
いずみ 「・・・ちょっとやだ。怖い事を言わないでよ・・・。」
千春  「とりあえず今日は途中まで一緒に帰ろうね。」
いずみ 「う、うん。ありがとう。」
千春と一緒に下校するいずみちゃんにまたもやひとつの影が・・・。
千春  「じゃあ、私はここまで。後は近いから平気よね。」
いずみ 「またね。千春・・・。」
辺りはもう暗くなり、女の子には恐怖を感じさせてしまうそんな夕闇でした。
家へと急ぐ足音に、同調するようにもうひとつの足音が響く。
いずみ (・・・き、気のせいよね。あんな事があったばかりだし。)
少し早い歩調で歩き始めると、かの音も早まります。
いずみちゃんの心臓は早鐘をうちはじめる。
いずみ (そ、そんな・・・誰なの・・・)
後ろを振り返ってみると、足下に映っていた影は咄嗟に身を隠しました。
いずみ (やっぱり誰かつけてきてる。誰なの・・・)
恐る恐る近づいて、影の主を確かめに行きました。
それに感づいた影は逃げ出しました。
いずみ 「待って!!!。」
静寂を打ち消すような響きに、影は動きを止める。
いずみ 「だ、誰なの。こっちを向いて・・・。」
影は親に叱られた子供のように顔をいずみちゃんの方に向けました。
いずみ 「―――!!そ、そんな。どうして・・・。」
菊丸  「・・・・。」
ただ菊丸はだまって下を向いていました。
それから何分がたったのか・・・ただ遠くに電車の音が鳴っていました。
菊丸  「た、ただいま。いずみちゃん・・・。」
いずみ 「どうしてここに・・・。」
菊丸  「これを返しに・・・。」
そういってポケットから取り出したものは、引越しの際に吊り上げたパンティーでした。
いずみ 「えっ・・・あ・・・。」
菊丸  「あとこれも・・・。」
反対側のポケットからは昼間とられたブラジャーでした。
いずみ 「・・・菊丸くんだったの?でも、どうして・・?。」
菊丸  「実は引越しは親父だけの、単身赴任だったんだ。
新居も結局、会社の社宅に変更になっちゃって。
それで・・・昼間に返そうと思ったんだけど、ついブラを手にしてたら、
いずみちゃんたちが 帰ってきちゃって・・・。はい、返すよ。」
いずみちゃんはきびつを返し菊丸に背を向けました。
菊丸  「・・・。」
やはり無言の重圧は顔を下に向けさせざる得ませんでした。
いずみ 「いいわ。それは菊丸くんにあげる。」
菊丸  「―――!?。」
いずみちゃんはそのまま言葉をつづけました。
いずみ 「でも、盗む事はいけない事よ。わかった?菊丸くん。」
菊丸  「うん。分かったよ。いずみちゃん・・・ありがとう。」
一週間という少しの間でしたが菊丸が、いずみちゃんの事を気にかけていた事。
そしてこれからも続くであろう
破茶滅茶な日々・・・いろいろな事をいずみちゃんの頭の中で巡っていました。
菊丸  「じゃあ、僕はそろそろ行ってみるよ。また、学校で・・・。」
そして菊丸は今来た道を帰っていきました。
振り返り、その背中をいずみちゃんは見ながらこう言いました。
いずみ 「お帰り、菊丸くん。」
冷たく冷えきったアスファルトに熱い雫がしみこむ。
まだ風はつめたいが、木々には命が芽生えはじめるそんな冬の出来事でした。

 おしまい
  

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